中国人に仕事を奪われてもかまわない
「中国人とインド人が我々から仕事を奪っていく。あなたはどうする」という本を2つ読んだ。
取材にお金がかかっているのがこれで
- 作者: トーマス・フリードマン,伏見威蕃
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞社
- 発売日: 2006/05/25
- メディア: 単行本
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- 作者: トーマス・フリードマン,伏見威蕃
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上の劣化版がこれ。
- 作者: ダニエル・ピンク,大前研一
- 出版社/メーカー: 三笠書房
- 発売日: 2006/05/08
- メディア: 単行本
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何年も前から「中国人が1/20の給料でプログラムを書くから、お前らの仕事はなくなる」なんて言われてるけどさっぱり現実にならない。
俺が今やってる仕事をより高いレベルでこなすことができて、しかも俺より安く使える外国人なんてミリオン単位で居るのだろうが、グローバル労働市場なるものは仕事が雑なようで、外国人たちは俺の仕事を奪いに来ない。
今SolarisのレガシーシステムをLinuxに移植する仕事をしてるんだけど、俺3月までCのプロダクトコードなんて書いたことがなくて、それなのに今Cのコードの品質管理とかやっていて、この仕事の単価が俺史上最高額になっている。前職でJavaのWebアプリばっかり書いてた時は「これが本業だ」ぐらいのつもりでやってたんだけど、そのころの2倍近い単価だ。
明らかに労働市場は歪んでいる。マクロのトレンドは個人を直撃できない。だから「中国人が日本人の仕事を奪っている。どうする俺?」というのは問題の立て方が間違っている。問いがボケていたら、答えもろくなものではない。
例えば「ハイ・コンセプト」には、著者が数年間研究を重ねてたどり着いたという、「これからの時代にまともな給料をもらうためになすべきこと」が列挙してあるのだが、
1.機能だけでなく「デザイン」
2.議論より「物語」
3.個別より「全体の調和」
4.論理ではなく「共感」
5.まじめだけでなく「遊び心」
6.モノよりも「生きがい」
これって中国とかインド関係ないんじゃねえの。そもそもよい人生を送るためにやったほうがよさそうなことばっかりだ。
外部環境の大変化が来たら、ミクロなレベルで対応しようとしないで、大人しく流されればいいのだと思う。
労働市場が歪んだままなら、今まで通り「他にもっと安くできる人が居るのに仕事がもらえる」というぬるい生き方を続ければよい。
労働市場が完全に近づけば、私は中国人に仕事を奪われるのだろうが、同時に比較優位のある仕事を得ることもできるだろう。
完全な労働市場がくれた仕事は、私が一番社会の役に立てる仕事だ。それがIT関係なのかどうかは分からないが、天職なのは間違いない。
ひょっとしたらそれは整体師か何かじゃないかと思うのだが*1、そうなったらなったで幸せなことだと思う。
*1:マッサージが異様に上手いと言われる