SQLアンチパターン「健忘症的サロゲートキー」の提案

SQLアンチパターン作者: Bill Karwin,和田卓人,和田省二,児島修出版社/メーカー: オライリージャパン発売日: 2013/01/26メディア: 大型本購入: 9人 クリック: 698回この商品を含むブログ (46件) を見る本書の著者はサロゲートキーに対して消極的なのだから、…

SQLアンチパターン「IDリクワイアド」の再検討

SQLアンチパターン作者: Bill Karwin,和田卓人,和田省二,児島修出版社/メーカー: オライリージャパン発売日: 2013/01/26メディア: 大型本購入: 9人 クリック: 698回この商品を含むブログ (46件) を見る話題のSQLアンチパターンの目次に「アンチパターン:す…

大山康晴はなぜ強かったのか

羽生善治「決断力 (角川oneテーマ21)」より。 史上最強の棋士が十五世名人の大山康晴先生であることは、誰もが認めるであろう。 大山先生が六十九歳で亡くなる二年前。ガンの手術をしたあと、必敗の将棋を夜中の二時まで 粘りに粘って、最後に催眠術のような…

小林秀雄が素読について語ったこと

引き続き「人間の建設 (新潮文庫)」から。岡潔との対談の最後に、小林秀雄が素読について語ったこと。 論語を簡単に暗記してしまう。暗記するだけで意味が分からなければ、無意味なことだというが、 それでは論語の意味とはなんでしょう。それは人により年齢…

小林秀雄と岡潔の老人力対決「人間の建設」

一部で評価の高い、おじいちゃん同士の雑談が新潮文庫になったので読んでみた。人間の建設 (新潮文庫)作者: 小林秀雄,岡潔出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2010/02/26メディア: 文庫購入: 11人 クリック: 88回この商品を含むブログ (64件) を見るやはり岡潔…

教師は人間のサブクラスではない?

この本読んだんだけど今年有数のヒットだった。オントロジー工学 (知の科学)作者: 溝口理一郎,人工知能学会出版社/メーカー: オーム社発売日: 2005/01/01メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 78回この商品を含むブログ (25件) を見る長年の疑問が、オントロ…

お経を読んでしまったら自己啓発はおしまい

仕事がひまになったのでこれを丁寧に読んだ。ブッダのことば―スッタニパータ (ワイド版 岩波文庫)作者: 中村元出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1991/01/24メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 21回この商品を含むブログ (4件) を見るブッダの真理のことば…

現状を正確に把握することなしに改善案が出せるか

事業の現状を正確に把握しなくても、新システムの設計ができると考えるかどうか。 ここが決定的に重要だ。 Yesと答える方法論と、Noと答える方法論は、絶対に交わりようがない。 「両方のいいところをミックスして...」みたいなことは不可能だ。 自分はどち…

なぜ勉強しなくてはならないか

タイの坊さんが書いた本に、人間がなんで勉強しなくてはならないのか説明しているところがあって、個人的にはベストアンサーだと思っている。テーラワーダ仏教の実践―ブッダの教える自己開発作者: ポー・オー・パユットー,P.O.Payutto,野中耕一出版社/メーカ…

「達人に学ぶSQL徹底指南書」を読む(1) − 集合演算子は nullとnullを「等しい」とみなす。なぜ?

達人に学ぶ SQL徹底指南書 (CodeZine BOOKS)作者: ミック出版社/メーカー: 翔泳社発売日: 2008/02/07メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 54人 クリック: 1,004回この商品を含むブログ (78件) を見るこれは名著。論理学と集合論の基礎的な用語をほんの少…

「感情に逆らい、合理に殉じる人」が本当に頭のいい人なのだよなあ

「ヤバい経済学」は面白くない これはつまらなかった。ヤバい経済学 ─悪ガキ教授が世の裏側を探検する作者: スティーヴン・レヴィット,スティーヴン・ダブナー,望月衛出版社/メーカー: 東洋経済新報社発売日: 2006/04/28メディア: 単行本購入: 15人 クリック…

ウィトゲンシュタインの物差し・「いやらしい体」・他人の商売の悪口

今年No.1の名著「まぐれ」を読む。まぐれ―投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのか作者: ナシーム・ニコラス・タレブ,望月衛出版社/メーカー: ダイヤモンド社発売日: 2008/02/01メディア: 単行本購入: 28人 クリック: 585回この商品を含むブログ (174件) を…

中国人に仕事を奪われてもかまわない

「中国人とインド人が我々から仕事を奪っていく。あなたはどうする」という本を2つ読んだ。 取材にお金がかかっているのがこれでフラット化する世界(上)作者: トーマス・フリードマン,伏見威蕃出版社/メーカー: 日本経済新聞社発売日: 2006/05/25メディア: …

いかに生きるべきか

昭和十三年に初版が出た、当時80代の禅僧の講話集を読む。禅談作者: 沢木興道出版社/メーカー: 大法輪閣発売日: 1997/12/01メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 12回この商品を含むブログ (1件) を見るいかに生きるべきかという問題にいまさら独創的な解が…

「部長ならできます」という古い冗談

多分20年ぐらい前からある笑い話で、大企業の元部長さんが面接に来て、面接官が「あなたは何ができますか」と聞いたら「部長ならできます」と答えた、というのがある。 スペシャリティのない中高年は悲しいですね、あるいは大企業出身者というのは勘違いして…

なるべくシステムコールよりライブラリコールを使うのがよい

C

エキスパートCプログラミング―知られざるCの深層 (Ascii books) P319 ライブラリ関数の実行は、サブルーチン呼び出しのオーバーヘッドがある分インラインコードよりも遅いが、 システムコールではカーネルへのコンテキストスイッチが必要で、そのオーバーヘ…

ピグマリオン効果て言うなや

「影響力の武器―なぜ、人は動かされるのか」だったと思うんだけど、「子供の成績が伸びると期待してやるとほんとに成績が上がる」という現象を指してピグマリオン効果と言う、みたいな話があった。 この話はなんかおかしいんじゃないかと思う。実際成績が上…

梅田氏の無我

梅田氏の本をブックオフで買ったら変な毛がはさまってて読む気なくしたんだけど、やっぱり読みたいので新品を買いなおした。ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか (ちくま新書)作者: 梅田望夫出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2007/11/06メディア: …

売価と原価の微妙な関係

さっきまで、売価決定のためには原価を把握しておかなくてはならないと思っていたのだが、売価と原価の関係はそんな一方的なものではないようだ。決定版 ほんとうにわかる管理会計&戦略会計作者: 高田直芳出版社/メーカー: PHPエディターズグループ発売日: 2…

JITとTOCの関係(2)

JITとTOCの関係でJITについて書いたことを補足というか訂正というか。 TOCのドラムバッファーロープの比喩でいうと、JITでは最終工程が常にドラムを叩いてペースを 規定し、その速さについてこれない奴が制約条件と認定され、改善・強化の対象になるわけだ。…

なんで配賦するのか

トマス・コーベット「TOCスループット会計」には「スループット会計一本で企業のあらゆる意思決定ができる。ミスリーディングな配賦なんて何のメリットもない」みたいなことが書いてあった。では、普通の原価会計をやっている会社は、何のために配賦をしてい…

JITとTOCの関係

ジャストインタイム生産(以下JIT)には制約条件という考え方がないから、制約理論(以下TOC)の敵のはずだけど、何だか似てる部分もあるような。 JITとTOCの関係はどうなっているのだろう。この本にはサプライチェーン理論と戦略―部分最適から「全体最適」の追…

知能・創造性とは何か。あるいは剛毛が生えるという副作用をどうするか

変な邦題が付いたこの本に、知能や創造性というものに対する見方をひっくり返された。あなたの「天才」の見つけ方―ハーバード大学教授がこっそり教える作者: エレンランガー,Ellen J. Langer,加藤諦三出版社/メーカー: PHP研究所発売日: 2002/06メディア: 単…

10年前のSCM

2000ごろに出版されたサプライチェーンマネジメント関係の本がたくさんたまっているので、何日かかけて読む。サプライ・チェインの設計と管理―コンセプト・戦略・事例作者: D.スミチ・レビ,E.スミチ・レビ,P.カミンスキ,久保幹雄,伊佐田文彦,田熊博志,佐藤泰…

フォトリーディングは「写真を撮るようにページの映像を記憶する」ものではない

フォトリーディングのことを「写真を撮るようにページを記憶する」ものだと説明している本があるんだけどこれはミスリーディングというか誤解なんじゃないのと思う。 例えば200ページの本を見開き100枚の画像として記憶したとして、そこに書いてあることの意…

欲しいものは売ってないものばっかり

平川克美「反戦略的ビジネスのすすめ」を読む。反戦略的ビジネスのすすめ作者: 平川克美出版社/メーカー: 洋泉社発売日: 2004/11メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 20回この商品を含むブログ (27件) を見る「今日からこうしなさい」という提案が全くない…

役所の人が威張るのはどういう時か

ワインバークの本は結局何が言いたいのかさっぱり読み取れないのであんまり好きになれない。 これも何の本だかよくわからなかった。ライト、ついてますか―問題発見の人間学作者: ドナルド・C・ゴース,G.M.ワインバーグ,木村泉出版社/メーカー: 共立出版発売…

フューチャリスト宣言で10年前を思い出した話

大学で初めてインターネットというものを使っている人に会って、大変焦った記憶がある。 社会に出たら、世界中の英知を集結できる人と、丸腰の自分が闘わねばならない、という恐怖感。 あれから10年経って、ネットから世間に届いたものといえばYouTubeであり…

安易な極論イクナイ

足立恒雄「無限のパラドクス―数学から見た無限論の系譜 (ブルーバックス)」を読んでわかったこと。 P-59 A1, A2, ..., An, ... でもって、例えば半径1の円に内接する正n角形の列を表すとする。 limAnでもって、Anの極限を表すとすれば、これは半径1の円であ…

「そう考えればいいのか」2題

会計関係の名著2冊から、ああ、そう考えればいいのか、と深く納得したこと2つ。 わかってる人には当たり前なんだろうけど、俺はちょっと感動した。 「アンソニー会計学入門」から、仕訳で収益が右に・費用が左に記入される理由。 収益は資本の増加ですから…