梅田氏の無我

梅田氏の本をブックオフで買ったら変な毛がはさまってて読む気なくしたんだけど、やっぱり読みたいので新品を買いなおした。

ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか (ちくま新書)

ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか (ちくま新書)

俺もう中年だからこの本のターゲットじゃないんだけど、今回もストレートなメッセージに激しく煽られた。
アルファブロガー勝ち組・負け組に分けるとすれば「俺の方が頭がいいんだ競争」から降りた人が勝ち組で、まだやってる人が負け組だと思うのだが、この基準で測ると梅田氏は突出した勝者だ。
梅田氏はひたすら自分の言葉が届く人に対して真剣に呼びかけている。頭がよさそうに見えるかどうか・優秀な人に見えるかどうかに全く興味を持っていない。無我だ。だから自分の考えをどんなに強く表現しても、文章が極めて涼しげなものになる。
「俺の方が優秀なんだ競争」をしている人の文章は必ずダブルトランザクション(=話した言葉と伝えたいメッセージが違う)になるので、読んでて暑苦しい。
「俺、どうよ?なぁ、俺、どうよ?」の世界を解脱した人の文章はことばとメッセージの乖離がないのでクリアで清々しい。けものみちを疾走する梅田氏の一人旅はいつまで続くのか。