フォトリーディングセミナーレポート(2) 初日前半
ガイダンス
おしゃれなセミナールームで9:30からスタート。
受講生は10代から50代まで、という感じ。男女比は3:1ぐらい。
まず、眠気覚ましに体操みたいなことをさせられる。
次に前後左右の人と自己紹介。ゴムボールをキャッチボールしながら、自分の名前を言う。
あと、全員起立して、誰でもいいから自己紹介してじゃんけん->3勝したら座れる、というゲームもやった。
このへんはアメリカンなテイストなんだろう。会場があったまる。
着席して講義開始。この2日間で何をするのかの概説。
こんな話があった:
- フォトリーディングしても「読んだ」という実感は得られません。
- 受講生から、本を出す人がけっこうな確率で出る。本1冊書くのに資料を平均80冊ぐらい読まなくてはならないが、フォトリーディングによりその80冊を3日〜30日で処理できるようになる。だから本が書ける。
- フォトリーディングはケン玉や自転車を覚えるように覚えるべきもの。スポーツをやってきた人は、その経験を思い出しながらやると覚えがよくなる。
- 要するに経験・訓練が必要ということ。暗黙知の領域。
- 本を読む必要のある人は早くできるようになる。目的のない人は身に付かない。
- 知らない分野の難しい本が急に読めるようになる、ということはない。だから、語彙力が重要。言葉の多い人はより速く読める。
- フォトリーディングは「長期記憶によい」もの。ふつうに読んだ時よりも、長い間覚えていられる。
- はじめからできるわけではないが、できないことを意識することに意味がある。人間はできないと知ると無意識にできるようになろうとするから。
それから、フォトリーディング・ホールマインドシステム全体の構成についての説明。
フォトリーディング・ホールマインドシステムは
- 準備
- 予習
- フォトリーディング
- 活性化
- 高速リーディング
の5つのステップからなる。
速読ぽい動きをするのは3だけ。4,5ではふつうに文字を追う読書をする。
STEP1 準備
講座には、未読の本を3冊持ってくることになっている。そのうち1冊を使って、フォトリーディングの実習開始。
まず、これから読む本から何を得たいかを明確にする。そのために、読む目的を紙に書いてみる。
これがけっこう苦しい。いままで漫然と本を読んでいたから、改まって「何が知りたくてこれを読むの?」と聞かれると困るのだ。
しかし、これを書き出すことの効果は大きい。
我々の頭は、目標設定することで、無意識がその情報を探すようにできているのだそうだ。
次に本を読める精神状態に入るために「ミカン集中法」というのをやる。
目を閉じて、
- ミカンを手に持っていると想像する。
- 鼻先に近づけて、その匂いをかいでみる。
- そのミカンを頭の後ろの空間に置いてみる。
- 手を離すとミカンは消える。
ていうのを園先生の誘導にしたがって全員でやる。
私が発見したコツは、ミカンの匂いをかぐときに、ほんとに匂いをかぐとミカンの匂いではなくて手のにおいがするので(さっきゴムボールを触ったのでゴムくさい)、匂いをかぐふりにした方がいいということだ。
なんでミカンなのかは分からない。嫁は「誰もが知っていて、嫌いな人がいない匂いだから、とりあえずミカンが選ばれたのではないか」と言う。なるほど。
園先生が言うには、目的はリラックスすることにあるので、別にミカンでなくてもいいし、慣れてきたら省略してしまってもぜんぜんかまわないのだそうだ。
STEP2 予習
いきなり本文を頭から読まないで、予習をする。
- 1分間で目次を読む。
- 自分の読む目的に合っているか考えてみる。
- 合っていればSTEP3に進む。合っていなければ目的を変えてSTEP3に進む。または、読むのをやめる。
STEP3 フォトリーディング
「フォトフォーカス」という、ぼやーとページを見る方法を習う。
文字よりも遠くに焦点を合わせると、文字がぼけて、ページの合わせ目(見開きの真ん中)にカマボコのような形のページ(ブリップ・ページ)が現れる。
この状態を維持しながら、2秒に1回ページをめくっていく。
この時、ページの内容を意識しようとしてはならない。読んでしまったら、通常の読書と同じ意識的な回路で記憶されてしまう。
そうではなくて、周辺視野を使って情報を無意識に流し込むのがフォトリーディングの目的。
ページをめくっている間は、「チャント」という呪文みたいなのを頭の中で唱えることになっている。
講座では「リーラックス、リーラックス、1,2,3,4...」というチャントを習ったが、
これは否定的な雑念(「こんなことして、ほんとに読めてるのかなぁ」)を抑えるために唱えるものなので、文言は何でもいいのだそうだ。
公式のチャントは語呂が悪い感じがするので*1、私は「1,2,3,4」の繰り返しをチャントにしている。