測定に本音が出る

例えば高校の建学の理念に「生徒の人格の陶冶を使命とする」と書いてあったとしても、お前性格悪いから留年なんて言われるわけがない。
だから建学の理念というのは建前。
高校が測定しているのは成績だけで、だから本音は「教えたことを覚えさせるのが我々の使命」ということ。


うちの企業理念は「ITでお客様の成功に貢献すること」で、これが本音なら「お客さんがうちのシステムを入れていくら儲かったか」を測定するはず。
これを測るのが難しいのは分かるが、「難しいからいくら儲けてもらったか調べません」というのなら企業理念は建前ということ。
受注金額と開発コストしか測定していないのなら「まず儲けるのはうちで、できればお客さんも儲かってくれたらいいなあ」あたりが本音。


建前というものは要らないのかというと、絶対そんなことはない。すげえ重要。
ただ、建前はもろいから、みんなで必死に維持しようとしなくてはならない。何とか魂を入れるように動かなくてはならない。

楽々ERDレッスンを読む(3) - 最終回

楽々ERDレッスン (CodeZine BOOKS) のまとめ最終回。1,2回目はここ:
http://d.hatena.ne.jp/tgk/20060526#1148750287
http://d.hatena.ne.jp/tgk/20060806#1154882768


第3部は例題が8つ。やってみて答え合わせするとけっこう同じ絵になっていてちょっと嬉しい*1
昨日書いたことにひっかけて言うと、同書でもやはり「何をエンティティにするか」の基準は明示されていない。
が、エンティティを切り出す手順はおおよそ

  • 核となるイベントを見つける(お題が請求書なら「請求」、注文用紙なら「注文」など)
  • 上記イベントは誰が何をすることなのかを考え、「誰が」「何を」をそれぞれリソースとして切り出す
  • その他区分コードや後続イベントのエンティティを追加する

に統一されていて実用的。同書は入門書として十分機能する。

*1:7問目の「電気料金の請求書」は、「請求」を「検針」の再帰表にするのがベターだと思うが。前回と今回の検針結果の差分で今回の請求額が決まるのだから