ハーバードからの贈り物は、金八風の説教だった


ハーバードからの贈り物を読む。
ハーバード・ビジネススクールの教授たちが、学生に対して「テングになるな」「付き合いやすい人になれ」「人の役に立ちなさい」みたいな説教をする本。
1箇所だけ心に残ったところ:

P-150:
ハーバード・ビジネススクールでは長年にわたり、学生の卒業後の業績に直結する
要員は何かを明らかにするための調査を行ってきた。


...しかし、残念ながらスクールでの成績とその後の業績との間に、一切の相関関係は
見出せなかった。短期的には一定の関係が認められるものの、長期的に見ればまっ
たくないのだ。


...以上のことから、二つの重要な教訓を得ることができる。
第一は、学校での短期的な成績のよしあしを課題評価してはならないということ。
第二は、今君がレースのどの辺を走っているとしても、成功するためには知性以外
にどんな要素が必要か--そしてそれらの要素をどう組み合わせるべきか--を考える
ことが大切だということである。

うーん。
一番重要な教訓は、ハーバード・ビジネススクールのカリキュラムには大きな改善の余地があることが分かった、ということだと思う。
卒業生の追跡調査結果は、ビジネスエリート養成校が持つべきカリキュラムを、ハーバードがまだ発見していないことを示している。
これはあらゆる職業訓練校なり資格試験なりが抱えている問題だ。
実務の世界からは「あの学校出たからって(あの資格持ってるからって)仕事できるとは限らないよね」とばっさり斬られてしまいがち。

  • 学校で実務能力を養成すること
  • 資格試験で実務能力を証明すること

は、どうして難しいのか。また、学校や資格試験の中の人たちがそのことをよしとしていて、漸進的にカイゼンする気がなさそうなのはなぜなのか。
...というところに興味がある。この問題が解けたら、会社の採用プロセスとか新人教育とかを、劇的に向上できる。