IE問題の解決

経営工学者・川瀬武志氏の数少ない、しかし圧倒的な内容の著書。
「マネージャと一般社員を分けて、前者が後者を管理する体制」を徹底的に攻撃している。
この本で明かされている経営の秘密の一つを書いておくと...

工員に業績に連動したボーナスを払うことは、会社の金の使い方としては効率が悪くもったいないことだ。
いちばんいいのは

    1. ラインの仕事を減らして、例えば4時で仕事が終わるようにする。4−6時は業務改善に使わせる。
    2. 改善によって、4時で終わる仕事が3時半−3時 ... とだんだん早く終わるようになってくる。ここで、仕事を増やして余裕を取り上げてはならない。
    3. 午前中で仕事が終わるようになったら、ラインの工員に臨時ボーナスを払う。そして、また4時までかかるように仕事を増やす。
    4. 1に戻る。

この金持ちサイクルに工場を乗せることだ。
このサイクルでは、永続的な改善効果に対して、報償を1回だけ払っている。つまり

    一度の支払いで永遠の改善を買う

のに対して、業績給というのは

    一度の支払いで1回だけのやる気を買う

ことなのだ。