「部長ならできます」という古い冗談

多分20年ぐらい前からある笑い話で、大企業の元部長さんが面接に来て、面接官が「あなたは何ができますか」と聞いたら「部長ならできます」と答えた、というのがある。
スペシャリティのない中高年は悲しいですね、あるいは大企業出身者というのは勘違いしていて困りますね、という話なのだが、部長が務まるというのは立派なスキルであって、もうちょっと詳しく聞いてみようと思うのがまともな面接官だと思う。馬鹿にして笑ってる場合じゃない。
で、2001年に初版が出たこの本に、まだそんな古い話が載っていた。

仕事のなかの曖昧な不安―揺れる若年の現在 (中公文庫)

仕事のなかの曖昧な不安―揺れる若年の現在 (中公文庫)

P-174転職を決意した人が面接に臨んだ。そのとき「あなたはどんな仕事ができますか」と聞かれ、「部長ならできます」----。
プロフェッショナルの時代という勇ましい掛け声とともに、こんな笑い話がささやかれてきた。じつはこれは笑い話でも
なんでもない。たしかに世の中には肩書きだけの部長で、訴えるだけの力を持たない人も居る。

「社長ならできます」というプロ経営者はたくさん居て、その存在も十分認知されているのに、「部長ならできます」が21世紀になっても笑い話のままなのはなぜだろう。
ジャック・ウェルチとか永守重信に何ができるか聞いてみたらいい。社長ならできます、て言うと思うが。