「一日も早く成功しようとして努力することは...」


出典が思い出せないんだけど
「一日も早く成功しようと思って努力することは、一秒でも早く射精しようと思ってセックスするようなものだ」
みたいな言葉があって、最初それ聞いたときは何だそりゃと思ったんだけど、最近意味がわかるようなことがあった。


ある社会人の集まりに行って、みんなお互い初対面だったんだけど、その中にマルチ商法みたいなあれ(ネットワークビジネスMLM?何かそんな感じのやつ)で成功した人がいた。
その人始めてから2年ぐらいで、全く苦労しないで億単位の資産を作ったらしいんだけど、そんなこと何で俺が知ってるかって言うと自分で喋るから。
その人いろんなこと喋るんだけど常に怒ってるのね。声を荒げるわけじゃないんだけど、言葉の端々に「私を普通の人と一緒に扱うな」という苛立ちが漏れているのね。
俺最初タメ口きいてたんだけどだんだん話しかけずらくなってしまった。
で、丸一日一緒にいたら、その人の世界の見え方が分かったように思う。多分こういうことなのだ:

  • 短期間に苦労せずに資産を築くと、毎日働いている人間がアホに見える。
  • アホが何かタメ口きいてくる。私が特別な人間だということを教えてやらねばいかん。
  • でもこんな困難な開発をしたとか、こんなことをして事業の危機を切り抜けたとか、そういう語るべきエピソードは何にもない。何しろ苦労してないのだから。
  • もう結果を直接教えるしかない。

で初対面の人に「俺は2億持ってるんだ」「働きたいときだけ働いて遊びたいときには遊ぶ、ハッピーリタイヤ生活してるんだ」とほんとのことを言ってしまう、ということなのかと。
語るべきエピソードなしで成功という結果だけ掴んでしまうと、そこには「対等な関係を結ぶに足る人間が誰もない」「出会う人間がアホしかない」という荒涼とした世界が広がっているのだ。
で、最初の言葉に戻るんだけど、幸せなのは成功につながる道筋に乗って着実に前進している時なのであって、何かを達成してしまうと案外空しいのだろう。
だから、達成までのプロセスを全速力で駆け抜けるのはとてももったいないことなのだ、ということなのだろう。