スループット会計のアイデアてほんとに最近のものなの?
この本をざっくり読み終わった。
何とも信じがたい話の連続で読後ちょっと呆然とする。舐めるように再読する必要あり。
- 作者: トーマス・コーベット,佐々木俊雄
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2005/05/26
- メディア: 単行本
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ABCを含む従来の原価計算手法を
- 制約条件を特定しないこと
- 配賦を行うこと
を理由に、意思決定には全く役に立たないと言い切っている。
間接費の配賦の何がいけないか。
それには本質的に根拠がないというのだ:
P-115製品Rに配賦された費用がその製品の生産をやめてもまだ発生しているのであれば、
これらの費用は製品Rのコストだという根拠はどこにあるのだろうか。
例えばうちの会社に給料20万円の新人が入ってきて、私と同僚Kのアシスタントをすることになったとする。
1か月後、新人は私の仕事を150時間、Kの仕事を50時間こなした。新人に関して、私とKが負担すべき費用は20万円を150対50に割ってそれぞれ15万と5万とする。
... これは全く理にかなっているような気がするが、出てきた数字を我々の業績評価に使うことはできない。
例えば私とKの売上・費用が同額で、違いは配賦された新人の給料だけだったとすると、私はKより15-5=10万円利益が少なかったと判定されるがそれはおかしいのだ。
私が翌月会社を辞めたケースを考えてみる。
- 同僚は前月と同じ活動をして同じ売上を上げ
- 新人は月50時間だけ働いてあとは自席で勉強していた
とすると、Kは新人の給料を全額負担するので、前月より15万円利益が減ってしまう。
同じ活動をして同じ売上をあげたのに業績が違う ... これは変だ。
新人という非制約資源を使うことに社内で「課金」するからおかしなことになるのだ。
私が退職しても新人の給料が15万円下がるわけではない。だったらその15万円を私が負担するいわれはない。