固定費も可変費用になる

前回書いた

A,Bいずれかから撤退することで固定費に変動がある(例えば工場を一つ閉鎖するとか)ことも
普通にあると思うけど、限界利益だけ見ているとそれを見落とすなんてことはないのだろうか

という疑問の回答が、伏見多美雄「おはなし経済性分析 (おはなし科学・技術シリーズ)」にあった。

P-27変動費対固定費という区別は、必ずしも
(イ)意思決定に伴って変化するコストか
(ロ)どの案を採っても変わらないコストか
という区別にそのまま対応するとは限らないことに注意する必要があります。
経済性分析では前者のタイプのコストを「可変費用」と呼び、後者のタイプを「不変費用」と呼びます。
...
意思決定に伴って固定費が可変的な例もあれば、変動費が不変費用だったりすることもありうるのです。

限界利益だけ見なさい、というのは、「単純に採算が合っているかどうか」や「2つの製品のうちどっちがより儲かっているか」を判定する場合の話。
「より儲かっていないほうから撤退する」という話であれば、固定費が可変費用化して、別途損得勘定が必要になるかもしれない。