限界利益だけに着目すること
経済性分析とか損得勘定の話が何回聞いても覚えられない。
- そば屋の店員がお客に出すざるそばをひっくり返してしまったので作り直しました。条件がコレコレの時、損失はいくらでしょう
- マクドナルドがハンバーガーを半額にしたら、売上が倍増しただけでなく1個当たりの利益率も向上しました。なぜでしょう
みたいな話がありますでしょう。聞いた時はあーなるほどと思うけど絶対忘れる。
こういううろ覚えの話を一回整理しようと思ったまとめの1回目。
まず損得勘定では限界利益だけ考えましょうという話。
以下は西田順生「粗利を2倍にする価格決定論」にあったクイズ。
売上が等しい製品A,Bのコスト構造が右図のようになっている時、どちらかの製造をやめなくてはならなくなった。どっちをやめるのが正しいでしょう、という問題。
これは利益の大きいBをやめるのが正解ということになっている。売上−変動費=限界利益が大きいほうを残さなくてはならない。
問題文には何も書いていないが、A,Bどちらを撤退しても固定費総額に変動はないという前提なのだろう。
であれば、Aは「固定費がかかる製品」なのではなく「固定費をたくさん回収している製品」ということになる。
だから、たくさん回収しているほうをやめたら損をする、と。
直接原価計算とかスループット会計を薦める本には、固定費の配賦は意思決定の邪魔で、何かの悪みたいなことが書いてある。
ほんとにそうなのかしら。A,Bいずれかから撤退することで固定費に変動がある(例えば工場を一つ閉鎖するとか)ことも普通にあると思うけど、限界利益だけ見ているとそれを見落とすなんてことはないのだろうか。その辺もやもやしながら次の問題に進む。