ハードルの低いところを跳ぶ
「何をやりたいか」よりも「何なら勝てるか」を重視する経営者が居る。
例えば田井中圭一氏。この人は極道をやめてでかい整骨院のチェーンをつくった人。
田井中圭一 本気になれば「ボロ勝ち」や P96「勝ちに行くんやったら、競争率の低いところを探せ」
競争率の激しいとこで100人相手に戦うより、一対一のケンカのほうが勝つ可能性がうんと高い。
自分一人しか居いひんかったら、一人勝ちのボロ勝ちや。
...
だから俺はすごいねん。自分で言うのもなんやけど。
何がと言うたら、必ず競争率の低い場所で戦う。
関係ないけど、何かあってIT業界で生きられなくなったら田井中氏の会社で整体師になりたいと思っている。やる気があれば誰でも採用してくれるそうなので*1。
あるいは成毛真氏。
岡本吏郎 会社にお金が残らない本当の理由 P229
また、元マイクロソフト社長の成毛真さんも日経ビジネスのインタビューの「これからビジネスをやるなら何をやるか?」と言う質問に「鉄板をやる。鉄板ならお客が自分で料理をつくってくれるしコストがかからない」と答えています。
優れた経営者の発想はみんなこういうところにあります。夢なんか追いません。どこがハードルが低いかだけを考えています。自分へのこだわりもありません。こだわりなんか犬も食わないと思っています。
「どこがハードルが低いかだけを考える」という知恵を自分の人生に活かすとしたらどうなるか。
プログラマ/SEにとって、今ハードルの低い所てどこだろう。
この業界では、参加者が少ない領域が即ハードルの低いところではない。Lisp使いとか数は少ないけどレベル高そうだもの。会ったことないけど。あとJava使いはRuby使いの何倍か居るけど、Java界のレベルがRuby界より何倍も高いとも思えないし。人の数がハードルの高さを決めているわけではない。
多分「私、○○は苦手なので」と告白しても同業者にあんまり馬鹿にされない「○○」が、ハードルが低いところなんじゃないか。
たとえば
みたいなことは馬鹿にされそうなので言いたくない。ほんとのことだけど。
これに対して
- 私、デザインは苦手なので
- 私、ハードの選定はやったことありませんので
- 私、データモデリングは全くわかりませんので
だったらあんまり恥ずかしくない*2。
つまりRails界隈なんかは活きのいい人がいっぱいいそうなのであんまり近寄らない方が得で、そんなのを武器にしようとするぐらいならデータモデリングでもやっていた方が生き延びやすいんじゃないだろうか。DBは不人気だもの。RDBなんか差別されているようにすら見えるもの。