システムを小さく作って段階的にリリースすることが重要な理由
ゼスト社長・伊藤由紀子氏の本に書いてあった、巨大なシステムを一発で作らないで、小さいシステムを段階的にリリースすることが重要な理由。
あるいは、ERPパッケージみたいなものをいきなり入れないほうがよい理由。
1) お客さんが開発費の手当てをしやすいから
お客さんの業務の中で、ここをシステム化すれば一番儲かるというポイントだけを開発対象にしてさっさとリリースし、早くお客さんに儲けてもらう。
他の機能を開発する費用は、リリース済みのシステムが稼いだ利益で払ってもらえばよい。これを繰り返すと、お客さんは永遠にシステムを増強しつつ儲けを増やすことができる。理論的には。
2) お客さんの投資の回収が早いから
- 3つのサブシステムを毎月1つずつリリースする
- 3つのサブシステムを4ヶ月目に一括リリースする
を比較したとき、1は2よりも投資の回収が早い。あるいはシステムの寿命が長い。先に使い始めているんだから当たり前。
お客さんを第一に考えたら、どうしてもこうなるのだろう。その分システムの開発会社には負荷がかかる*1。
システムの企画と開発の両面で相当な力量が必要だと思う。この方針を実践しているというゼスト恐るべし。
*1:「ウチのシステムを導入したらいくら儲かるのか」が見えていなくてはならないとか、将来のシステム統合が自然に行えるような形でサブシステムを切り出さなくてはならないとか