速読しないで本を速く読む方法

高校のときの古典の先生が教えてくれた、本を速く読む(ていうか、速く読んだのと同じ効果を得る)方法。

  1. 買ったけど読んでない本が常に100冊以上あるようにする
  2. 読まなくてよいところは目を滑らせて飛ばす
  3. 本に折り目をつける

これは高校3年間に教わったことの中で、一番いいことだったかもしれない。
以下はその先生が言ったことの意訳。

買ったけど読んでない本が常に100冊以上あるようにする

活字を追うこと自体が本を読む目的ではない。
価値ある情報を自分の中に積み上げて、自分の思考と行動を変化させることが目的なのだとすれば、今一番読むべき本を1冊だけ読むことは、どっちでもいいような本を数十冊読むことよりも効果が高い。
「今一番読むべき本」は、今手元にあるものの中からしか選べないのだから、未読の本のストックが多いほど、効果的な読書ができる。
買った本を読み終わるまで次を買わないという人に比べると、本人の変化のスピードは圧倒的である。
この効果がプラトーに達するのは、買ったけど読んでない本が 100〜150 冊程度ある時。
だから、未読書のストックは常に100冊以上あるのがよい。


読まなくてよいところは目を滑らせて飛ばす

例えば「製造業のモジュール化」の解説書を読み始めるとする。
第一章に「モジュール化以前の製造業の問題点」が列挙されていたら、そこは「目を滑らせて」読み飛ばしてしまうのがよい。
これはモジュール化の解説書なのだから、従来の製造業の問題点がモジュール化で解決される、と主張しているに決まっている。
そういう読まなくても言いたいことがわかるパートを読むのは時間のムダなので、飛ばしてしまう。


読み飛ばしてよい部分であることのサインは、例えばこんなの:

  • 「今までは〜だったが、これからは〜」
  • 「一般的には以下のように信じられている:」
本に折り目をつける

本を買ってきたら、以下の手順で折り目をつける。

  • 表紙を開いて、根元を折る。
  • 1ページ目から順に根元を折っていく。全体の半分を超えたところで止める。
  • 裏表紙を開いて、ページの根元を折る。
  • 最後のページ目から順に坂のぼって根元を折っていく。全体の半分を超えたところで止める。
  • 分厚い本の場合は、背表紙にも細かく折り目をつけていって、どのページを開いても背表紙がアーチ状にしなるようにする。

折り目をつけないと、両手で持たないとページが開かないので、飯を食いながら本を読む、といったことができない。
また、分厚い本の場合は、真中あたりのページで背表紙が接着剤ごと折れてしまって、手を離すとそのページしか開かなくなってしまう、という状態になりがち。
コンピュータの技術書なんかはよくこの状態になってイライラする。本を見ながらタイプする、という時にすごい不便だ。