他人に儲けさせてもらおうと思ってもいいじゃないの


岡本吏郎「裏・お金の現実」がブックオフにあったので買って読む。
この本は自費出版で、本屋には置いていない。商業出版ではないのでかなりきつい言葉が使われている。
例えば「日本人は幼稚だ」という意味のことが書いてある。

P-73:
今の日本人の多くがお金持ちになることを夢見ている。しかも、その夢の実現のために
本や雑誌に書いてある「お金をためる方法」で実現しようとしている。やはりこれは少
しおかしいと思います。
<中略>
そこには根深い「幼稚性」があると思うのです。


他人に金持ちになる方法を教えてもらおうという考えは、どこから先が幼稚なのだろうか。
例えば投資信託*1て、あれは何だ。
要するに
知らない人にお金を預けたら、増やしてくれる
というものだろう。そんなことが本当にあり得るのだろうか。
もう一つ。戦略コンサルティングというビジネスはどうか。
知らない人にお金を払ったら、儲ける方法を教えてくれる
ということだろう。うまい話にガードの固いうちの両親なら「フーン。そのおじさんが自分でやって儲けたらいいんでないの」というだろう。


両親のように「騙されるのは絶対イヤ」というディフェンシブな姿勢で生きていると、投信やコンサルティングみたいなものには縁がなくなってしまう。
しかしそういう世界にも圧倒的な本物が存在している。そういうものに触れないで死ぬのはもったいないのではないか。
最低限、本物とインチキを見分ける能力を付けたいと思わないだろうか。


一生に一度も騙されなかった人は賢いかもしれないが、だから何なのよ、と思う。
あなたに本物を見分ける目があるの?プライド高すぎでないの?と思う。
騙されるのは恥ずかしいが、恥は損ではないのだ。
「恥は損ではない」とは尊敬するある経営者の言葉だ。この人はセクハラで逮捕されちゃったけど、全くそのとおりだと思う。
投資信託は一生買わないと思うけど、これはという人にお金を払って教えを仰ぐということは積極的にやり続けたい。
本物とインチキの境目は、何でも信じてみる時期を通った人にしかわからないはずだから。
去年のT字形ER手法のセミナーには月給以上の金がかかった(私は地方に住んでいるので旅費が上乗せされる)が、得たものは費用をはるかに上回った。
技術者としての寿命が3年は延びたような気がする ... て、ほんとにそうなら1000万以上の収入増ではないの。やっぱり行ってよかった。

*1:積極的な運用をするもの限定。インデックスファンドとかは除く