「インピーダンスミスマッチ」の本質は何か(2) -- CやFortranの場合

今検討している「インピーダンスミスマッチ」とは、オブジェクト指向言語RDBのミスマッチ---「オブジェクト・リレーショナル・インピーダンス・ミスマッチ」の省略形。が、インピーダンスミスマッチという比喩は、実はオブジェクト指向言語の普及よりも古いものらしい。
そのもともとの意味は、増永良文「リレーショナルデータベース入門」P138によれば:

リレーション「社員」から所属が'K55'である社員全体をSELECT文で選択したと
しても、CやFortranではその結果をリレーションを一括して受け取ることができ
ないので、結果リレーションをタップル1本1本にばらして親プログラムに引き渡
すということである。
これは、リレーショナルデータベースレベルではデータをリレーションという集
合単位で処理できるのに、埋め込みSQL親プログラムではタップル単位の処理しか
できず、全体としての処理効率を損なうことになり、インピーダンスミスマッチ
の問題として認識されている。

つまり、インピーダンスミスマッチは、リレーショナル代数を扱えない普通のプログラミング言語からデータベースにアクセスする場合には不可避の事象を指す言葉だった。
これはもう、どうにも解消方法がないので、いまさらあんまり問題にされないのだな。